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医院ブログ

子ども・大人別の歯磨き粉の選び方|フッ素濃度の正しい知識

「子ども用の歯磨き粉って、どれを選べばいいのでしょうか」「大人用と何が違うのでしょうか」。太田市のやまぎし歯科医院には、子育て中のお母さん・お父さんからこうしたご相談がよく寄せられます。ドラッグストアに並ぶ市販品はとても種類が多く、迷ってしまうのも当然です。この記事では、歯磨き粉の選び方をフッ素の濃度や年齢別の目安とともに、やさしく解説します。

歯磨き粉選びでいちばん大切なのは「フッ素の濃度」です

歯磨き粉には香りや味、泡立ちなどさまざまな違いがあります。しかし、むし歯予防という観点でもっとも重要なのはフッ素(フッ化物)が入っているかどうか、そしてその濃度です。つまり、パッケージの可愛さや味よりも、まずは成分表示を確認していただきたいところです。

そもそもフッ素とは?

フッ素とは、自然界の土や水、お茶や魚など身近な食品にも含まれている元素です。歯磨き粉に含まれるフッ素には、次のようなはたらきがあります。

  • 歯の表面を強くして、酸に溶けにくくする
  • 溶け出したカルシウムを歯に戻す「再石灰化」を助ける
  • むし歯菌が酸をつくる力をおさえる

このように、フッ素は「歯を守る力」と「歯を修復する力」の両方を支えています。そのため、毎日の歯みがきでフッ素入りの歯磨き粉を使い続けることが、もっとも手軽で確実なむし歯予防につながります。

濃度はppmで表示されています

歯磨き粉の箱やチューブには「1450ppm」「1000ppm」といった数字が書かれています。これがフッ素の濃度です。日本では上限が1500ppmと定められており、現在はこの高濃度タイプも市販されています。ただし、濃度が高ければ高いほど誰にでも良いというわけではありません。年齢によってふさわしい濃度と量があります。

年齢別・歯磨き粉の選び方とつける量の目安

2023年に日本の歯科関連学会が合同で、年齢に応じたフッ素配合歯磨き粉の使い方を示しました。当院でもこの考え方をもとに、保護者の方へご説明しています。

歯が生えてから2歳ごろまで

濃度は900〜1000ppmが目安です。量は米粒くらい、長さにすると1〜2mmほどで十分です。「そんなに少なくていいのですか」と驚かれる方も多いのですが、この時期はまだ上手にうがいができないため、飲み込んでも心配のない量に抑えることが大切です。

3〜5歳ごろ

濃度は同じく900〜1000ppm、量はグリーンピースくらい、長さ5mmほどに増やします。このころになると自分でみがきたがるお子さんも増えます。しかし、乳歯の奥歯のみぞや歯と歯の間はまだ自分ではみがききれません。そこで、仕上げみがきは必ず続けていただきたいところです。

6歳から大人まで

6歳を過ぎて永久歯が生えはじめたら、1400〜1500ppmの高濃度タイプに切り替えられます。量は歯ブラシの毛先全体、1.5〜2cmが目安です。一方で、6歳未満のお子さんに高濃度タイプを使うことは推奨されていません。ご家族で同じ歯磨き粉を共用している場合は、ぜひ一度確認してみてください。

子ども用と大人用は何が違うのでしょうか

フッ素の濃度以外にも、子ども用と大人用にはいくつかの違いがあります。

研磨剤と発泡剤のちがい

大人用には、着色汚れを落とすための研磨剤や、泡立ちをよくする発泡剤が多く入っているものがあります。しかし、乳歯や生えたての永久歯はやわらかく、強い研磨剤は必要ありません。また、泡がたくさん立つと口の中がいっぱいになり、実際にはみがけていないのに「みがいた気持ち」になってしまいます。そのため、小さなお子さんには研磨剤が少なく、泡立ちのおだやかなジェルタイプがおすすめです。

味と使いやすさ

子ども用にはイチゴやぶどうなど、親しみやすい味のものが多くそろっています。実は、この「味」は想像以上に大切です。当院でも、歯みがきを嫌がっていたお子さんが、好きな味の歯磨き粉に変えた日から自分から歯ブラシを持つようになった、というお話をよくうかがいます。歯みがきを楽しい習慣にするという意味で、味選びはお子さんに任せてみるのもひとつの方法です。

市販品で十分なのでしょうか

結論から申し上げると、市販の歯磨き粉でも濃度と量が適切であれば十分な効果が期待できます。ただし、むし歯が多い、歯並びが複雑でみがきにくい、矯正装置がついているといった場合には、歯科医院で扱っている製品やフッ素塗布を組み合わせたほうが安心です。

効果を引き出す使い方のコツ

せっかく良い歯磨き粉を選んでも、使い方によっては効果が半減してしまいます。そこで、ご家庭で今日から実践できるポイントをご紹介します。

うがいは少なめに、1回だけ

  1. 歯磨き粉を年齢に合った量つける
  2. 2〜3分かけて口全体にいきわたらせるようにみがく
  3. 余分な泡を吐き出す
  4. うがいはペットボトルのフタ1杯ほどの水で1回だけ
  5. その後30分は飲食を控える

何度もうがいをすると、せっかく口の中に残ったフッ素が流れてしまいます。つまり、「しっかりすすがない」ことが効果を高めるコツです。

夜の歯みがきをいちばん丁寧に

寝ている間は唾液の量が減り、むし歯菌が活発になります。そのため、1日のうちでもっとも丁寧にみがいていただきたいのが就寝前です。さらに、歯と歯の間はデンタルフロスを併用すると、むし歯の予防効果がぐんと高まります。

仕上げみがきはいつまで必要ですか

目安は小学校中学年ごろまでです。特に6歳ごろに生えてくる第一大臼歯は背が低く、みぞも深いため、むし歯になりやすい歯です。一方で、お子さんの自立心も大切にしたいところです。そこで当院では、「自分でみがく時間」と「仕上げみがきの時間」を分けて、どちらも習慣にすることをおすすめしています。

まとめ

歯磨き粉選びで大切なのは、フッ素の濃度と年齢に合った量、そしてうがいを控えめにすることです。市販品でも正しく使えば十分に効果を発揮します。とはいえ、お口の状態はお一人おひとり異なります。太田市のやまぎし歯科医院では、小児歯科や口腔機能の発達を専門に、お子さんに合った歯磨き粉やみがき方を丁寧にご提案しています。土曜も診療しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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