歯肉炎と歯周病の違いとは?中学生から始める歯周病予防
「子どもの歯ぐきが赤い」「歯みがきのときに血が出る」——そんな経験はありませんか?実は、中学生の歯科検診で歯肉炎に該当する生徒は少なくありません。歯肉炎と歯周病はどう違うのか、なぜ中学生のうちから予防が必要なのか、この記事でわかりやすく解説します。

歯肉炎と歯周病の違いとは?
「歯肉炎」と「歯周病」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、この2つは別の病気なのでしょうか。実は、歯肉炎と歯周病は「歯周疾患」という大きなカテゴリーの中に含まれており、進行の段階によって呼び名が変わります。
歯肉炎とはどのような状態か
歯肉炎とは、炎症が歯ぐき(歯肉)だけにとどまっている状態です。歯みがきのときに歯ぐきから出血したり、歯ぐきが赤くはれたりしますが、歯を支えている骨(歯槽骨)にはまだダメージが及んでいません。そのため、この段階でしっかりと対処すれば、多くの場合は元の健康な状態に戻すことができます。
中学生の歯科検診で「歯肉炎」の診断を受けるお子さんは実際に多く、学校検診の現場でも珍しくない状態です。「まだ子どもだから大丈夫」と思われがちですが、放置すると次の段階に進んでしまいます。

歯周病とはどのような状態か
歯周病とは、炎症が歯ぐきにとどまらず、歯を支える骨や組織にまで広がった状態です。歯と歯ぐきの間の「歯周ポケット」が深くなり、最終的には歯がぐらつき、抜歯が必要になることもあります。歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれ、自覚症状が出にくいまま進行するのが特徴です。
つまり、歯肉炎を放置して炎症が骨にまで達した状態が歯周病です。この段階になると、失われた骨は元に戻りにくくなるため、早期発見・早期対処が非常に重要です。
歯肉炎から歯周病へ進む原因は?
歯肉炎が歯周病へと進む主な原因は、プラーク(歯垢)の蓄積です。プラークとは、食べ物のカスをエサにして繁殖した細菌のかたまりです。このプラークが歯と歯ぐきの境目に長期間たまり続けることで炎症が起こります。さらに、プラークが硬化した「歯石」になると、自分の歯みがきでは取り除けなくなります。
また、口呼吸や不規則な食生活、睡眠不足なども炎症を悪化させる要因になります。中学生はとくに生活リズムが変わりやすい時期であるため、注意が必要です。

なぜ中学生から歯周病予防が必要なのか
歯周病は「大人の病気」というイメージがあります。しかし、その始まりは中学生の時期にまで遡ることがあります。予防のスタートラインは、思春期のいまです。
中学歯科検診で歯肉炎該当者が多い理由
中学生になると、学校生活・部活・塾などで生活が忙しくなり、歯みがきが雑になりがちです。そのため、プラークが蓄積しやすくなります。さらに、思春期はホルモンバランスが変化する時期でもあり、女性ホルモン(エストロゲン)の増加によって歯周病菌が活性化しやすくなることが医学的に報告されています。
実際に、太田市の歯科においても、中学生の定期健診や学校歯科健診後の来院で、歯肉炎の所見が見られるお子さんは少なくありません。一方で、歯みがき指導と歯石除去によって短期間で改善するケースも多く、早めの受診がとても有効です。

歯ぐきから出血・口臭が出始めたら要注意
以下のような症状があれば、歯肉炎のサインである可能性があります。
- 歯みがきのときに歯ぐきから出血する
- 歯ぐきが赤くはれている、または触ると痛い
- 口臭が気になる、または周囲から指摘された
- 歯と歯ぐきの境目にねばつきを感じる
- 歯ぐきがむずかゆい感じがある
とくに口臭は、歯周病菌が出すガスが原因のひとつです。中学生の時期に友人から口臭を指摘されることは精神的なダメージにもなります。そのため、口臭の予防という観点からも、歯周病の早期対策は大切です。
思春期に始める習慣が一生の歯を守る
口腔ケアの習慣は、中学生・高校生の時期に身につけたものが成人後も続くとされています。そのため、この時期に正しいブラッシング方法を学び、定期的な歯科受診の習慣をつけることが、将来の歯周病予防に直結します。
また、歯周病は糖尿病・心臓病・早産など全身の健康にも影響することが明らかになっています。口の中の健康を守ることは、全身の健康を守ることにもつながります。
歯肉炎・歯周病の予防と対策はどうすればよいか?
歯肉炎は、正しいケアと歯科での処置によって改善できます。では、具体的に何をすれば良いのでしょうか。日常のケアと歯科での対策に分けて説明します。

家庭でできるセルフケアのポイント
毎日の歯みがきが予防の基本です。しかし、ただ磨くだけでは不十分な場合があります。以下のポイントを意識してみてください。
- 歯ブラシは鉛筆持ちで軽い力で磨く(力を入れすぎると歯ぐきを傷める)
- 歯と歯ぐきの境目を意識して、歯ブラシを45度の角度で当てる
- 1本ずつ丁寧に磨き、磨き残しが出やすい奥歯・歯の間に注意する
- フロス(糸ようじ)を使って歯と歯の間のプラークを取り除く
- 夜寝る前の歯みがきをとくに丁寧に行う
また、甘いものの摂りすぎや、口呼吸の改善も歯肉炎予防に効果的です。口呼吸が習慣になっているお子さんは、口の中が乾燥しやすく、細菌が増えやすくなります。

歯科医院でできること——プロケアの重要性
自宅でのケアだけでは取り除けない汚れがあります。そのため、定期的な歯科受診が欠かせません。歯科医院では以下のような処置が受けられます。
- 歯石除去(スケーリング):固まった歯石を専用の器具で取り除く
- プロフェッショナルクリーニング(PMTC):専用の機器で歯の表面をきれいにする
- ブラッシング指導:自分の磨き方のクセを確認し、正しい方法を学ぶ
- 口腔機能のチェック:口呼吸や舌の使い方など、口腔機能に問題がないか確認する
やまぎし歯科医院では、MFT(口腔筋機能療法)を取り入れた診療も行っています。MFTとは、口まわりの筋肉のトレーニングを通じて、正しい呼吸や飲み込み方を習得する療法です。口呼吸が原因で歯肉炎が悪化しているケースでも、根本的なアプローチができます。

どのくらいの頻度で歯科を受診すればよいか
健康な状態を維持するためには、3〜6か月に1回の定期受診が推奨されています。特に歯肉炎の所見があるお子さんは、治療の経過を確認するためにも、より頻繁に来院することが望ましいです。
「歯が痛くなってから行く」という受診スタイルでは、歯周病の進行に気づきにくくなります。そのため、症状がなくても定期的に歯科に通う習慣を早いうちから身につけることが大切です。
やまぎし歯科医院が大切にしている小児歯科への取り組み
太田市歯科として地域のお子さんの健康を支えるやまぎし歯科医院では、「歯医者が怖い」というイメージをなくすことを大切にしています。お子さんが安心して通えるよう、スタッフ全員があたたかい雰囲気づくりを心がけています。
口腔機能発達不全症への対応
やまぎし歯科医院では、歯周病や歯肉炎の治療にとどまらず、口腔機能発達不全症への対応にも力を入れています。口腔機能発達不全症とは、食べる・飲む・話す・呼吸するといった口の機能が十分に発達していない状態のことです。
例えば、舌の力が弱かったり口呼吸が習慣になっていたりするお子さんは、歯並びや歯周環境に影響が出ることがあります。このような場合にはMFTを通じて機能改善を図り、歯周病になりにくい口腔環境をつくる取り組みを行っています。
予防歯科を中心とした保険診療
「費用が心配で受診をためらっている」という方もいると思います。やまぎし歯科医院では、保険診療を中心とした予防歯科に取り組んでいます。定期的なクリーニングや歯石除去、ブラッシング指導なども保険の範囲内で対応できる場合がありますので、まずは気軽にご相談ください。土曜診療も行っているため、平日に通いにくいご家庭にもご利用しやすい環境を整えています。
このように、やまぎし歯科医院は地域に根ざした太田市歯科として、予防を通じてお子さんの健康を長くサポートできる体制を整えています。

まとめ
歯肉炎は歯ぐきだけの炎症、歯周病はそれが進行した状態です。中学生の歯科検診で歯肉炎の該当者が多いのは、ホルモン変化や生活習慣の変化が影響しています。歯ぐきから出血や口臭がある場合は早めの受診を検討してください。やまぎし歯科医院では、お子さんの口腔環境を丁寧に確認し、一緒に予防に取り組みます。土曜診療も実施していますので、お気軽にお越しください。