【DH国試】歯周病分類まとめ|ステージ・グレード・G1〜G4を解説
はじめに|歯周病の分類、正直むずかしくないですか?
「G1〜G4の違いって何だっけ?」「ステージとグレードってどう使い分けるの?」——DH国試の勉強中に、こんな疑問を感じたことはありませんか。歯周病の分類は、今現在はまだこのグレードやステージなどの細かい分類までは出題されていませんが、今後は歯科衛生士の国家試験でも出てくる可能性が高いテーマです。この記事では、歯科衛生士学生がつまずきやすい歯周病分類を、ステージ・グレード・G1〜G4まで整理してわかりやすく解説します。

歯周病の分類とは?まず基本を押さえよう
歯周病分類にはなぜ「2種類」あるの?
歯周病の分類を学ぶとき、「G1〜G4」と「ステージ・グレード」という2種類の体系が出てきて混乱する方が多いです。実は、この2つは時代の異なる分類システムです。G1〜G4は日本歯周病学会が定めてきた分類で、国内では長年使われてきました。一方、ステージ・グレード分類は2017年のEFP(ヨーロッパ歯周病学会)とAAP(アメリカ歯周病学会)による国際的な新分類です。
つまり、国試対策としては両方の分類をセットで理解する必要があります。「古い分類=G1〜G4」「新しい分類=ステージ・グレード」と頭の中で整理しておくと、混乱しにくくなります。

G1〜G4とは?日本の歯周病分類の基本
G1〜G4は、歯肉炎・歯周炎の進行度を段階的に示した分類です。それぞれの定義は以下のとおりです。
- G1(歯肉炎):炎症は歯肉のみにとどまる。歯槽骨の吸収はない。
- G2(軽度慢性歯周炎):歯周ポケット3〜4mm程度。歯槽骨の軽度吸収がみられる。
- G3(中等度慢性歯周炎):歯周ポケット4〜6mm程度。歯槽骨の中等度吸収。根分岐部病変が生じることもある。
- G4(重度慢性歯周炎):歯周ポケット6mm以上。歯槽骨の高度吸収。歯の動揺や咬合障害が現れる。
このように、G1からG4へと数字が上がるほど病態が重症化していきます。G1は「歯槽骨の吸収がない」という点が特徴で、試験でも問われやすいポイントです。

新分類「ステージとグレード」をわかりやすく解説
ステージ(Stage)とは何を表す?
2017年の国際新分類では、歯周病の重症度・複雑性・範囲を表す指標として「ステージ(Stage)」が導入されました。ステージはⅠ〜Ⅳの4段階に分かれています。
- ステージⅠ(軽度):近心部の臨床的アタッチメントロス(CAL)1〜2mm。X線的骨吸収は歯根長の上1/3未満。
- ステージⅡ(中等度):CAL 3〜4mm。X線的骨吸収は歯根長の上1/3未満だが、ステージⅠより進行している。
- ステージⅢ(重度、歯の喪失リスクあり):CAL 5mm以上。X線的骨吸収は歯根長の中1/3以上。根分岐部病変クラスⅡまたはⅢ、歯の動揺度2度以上などの複雑因子がある。
- ステージⅣ(重度、歯列機能喪失リスクあり):ステージⅢの基準に加え、咬合崩壊・20本未満の歯数・咀嚼機能障害など。
そのため、ステージは「今どれくらい進んでいるか」を評価するための指標といえます。ステージⅢとステージⅣの違いは「咬合・機能障害の有無」が鍵になるため、試験では特に注意して覚えてください。


グレード(Grade)とは何を表す?
グレードは、歯周病の進行速度・リスク因子・全身への影響を評価する指標です。A・B・Cの3段階で示されます。
- グレードA(低リスク):進行の証拠なし。骨吸収量(%)÷年齢が0.25未満。喫煙なし・血糖コントロール良好。
- グレードB(中リスク):5年間で骨吸収が2mm未満。骨吸収量(%)÷年齢が0.25〜1.0未満。喫煙10本/日未満・HbA1c 7.0%未満。
- グレードC(高リスク):5年間で骨吸収が2mm以上。骨吸収量(%)÷年齢が1.0以上。喫煙10本/日以上・HbA1c 7.0%以上。
つまり、グレードは「これからどれくらい悪化しやすいか」を予測するための指標です。ステージが「現在の状態」を示すのに対し、グレードは「将来の見通し」を表すと考えると、2つの違いが明確になります。


ステージとグレードはセットで評価する
新分類では、ステージとグレードを組み合わせて記載します。例えば「ステージⅡ、グレードB」のように表現します。さらに、病変の範囲として局所型(Localized)・全身型(Generalized)・切歯/第一大臼歯型(Molar-incisor)も付記します。この「ステージ×グレード×範囲」の3要素を組み合わせることが、新分類の特徴です。
また、歯肉炎については新分類において「プラーク性歯肉炎」と「非プラーク性歯肉病変」に大きく分類されています。歯周炎との違いは「アタッチメントロスの有無」であり、歯肉炎ではアタッチメントロスが生じないという点も押さえておきましょう。
DH国試によく出るポイントと覚え方のコツ
試験に出やすい比較ポイントはここ
歯科衛生士の国家試験では、G1〜G4の定義、ステージとグレードの区別、そして歯肉炎と歯周炎の違いが繰り返し出題されます。特に以下の項目は頻出ポイントとして優先的に覚えることをおすすめします。
- G1は歯槽骨の吸収がない(歯肉のみの炎症)
- G4は歯周ポケット6mm以上で高度骨吸収
- ステージⅢとⅣの違いは「咬合・機能障害の有無」
- グレードは進行速度・リスク評価(A低・B中・C高)
- 新分類では「アタッチメントロス」が重要な評価基準
例えば、「歯槽骨吸収があるかないか」だけで、G1(歯肉炎)か歯周炎かを区別できます。このような「分岐点となるポイント」を意識しながら学ぶと、知識が整理されやすくなります。

G1〜G4と新分類はどう対応している?
G1〜G4と新分類(ステージ・グレード)は完全に一致するわけではありませんが、おおまかな対応関係を把握しておくと理解が深まります。
- G1(歯肉炎)→ 新分類の「歯肉炎」に相当
- G2(軽度歯周炎)→ おおむねステージⅠ〜Ⅱに相当
- G3(中等度歯周炎)→ おおむねステージⅡ〜Ⅲに相当
- G4(重度歯周炎)→ おおむねステージⅢ〜Ⅳに相当
一方で、新分類はG1〜G4よりも全身疾患との関連・進行リスクを重視した体系になっています。そのため、単純に数字を対応させるだけでなく、それぞれの評価軸(重症度 vs. リスク)の違いを理解することが大切です。

歯周病の分類を理解するとなぜ臨床に活かせるの?
歯科衛生士として臨床に出たとき、歯周病の分類は単なる試験知識ではなく、患者さんの状態を正確に把握するための実践的なツールになります。例えば、グレードCの患者さん(喫煙者・糖尿病コントロール不良)に対しては、通常よりも短いメンテナンス間隔を設定し、生活習慣指導も組み合わせることが重要になります。
さらに、ステージⅣのように咬合崩壊が生じているケースでは、補綴処置との連携も必要です。このように、分類を理解することで患者さんへのアプローチが明確になります。国試対策として覚えるだけでなく、「なぜこの分類が必要なのか」という視点を持つことで、理解の深さが変わります。
まとめ|分類の「なぜ」を理解して国試に臨もう
今回は、DH国試頻出の歯周病分類(G1〜G4・ステージ・グレード)をまとめて解説しました。G1〜G4は病態の進行度、ステージは現在の重症度、グレードは今後の進行リスクを示すという「役割の違い」を軸に整理すると覚えやすくなります。歯科衛生士学生の皆さんが試験当日に自信を持って答えられるよう、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
やまぎし歯科医院(群馬県太田市)では、予防歯科・口腔機能のサポートに力を入れており、歯周病予防のための定期検診も行っています。ご自身やお子さんの口腔の健康が気になる方は、お気軽にご相談ください。
